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中学のときである。夏休み中の課題としてあけびのつるを採り、2学期に学校で行なわれる授業の材料とする。体育館に全校生徒が集まり、自分で調達したあけびのつるを使い、篭・花刺しなどを作るのである。私はたしか弁当箱を作った記憶がある。田舎の中学での教育の一環だった。
ある日、ひょんなことから手にしたあけびのつるで、あの頃の木のぬくもりを思い出したのがきっかけである。なにげなく見過ごしていた自然の素材から、創造のよろこびを見つけたような気がする。
材料になるつるは、水に何日か浸してから皮をむき白く乾かすのと、素材の趣をそのまま生かすやり方と二通りあるが、私は自然の雰囲気をそのまま感じれるという意味で後者のほうが好きだ。茶色い木のぬくもりがそのまま伝わる感じがいい。
今日も木のぬくもりを感じながら、つるを手にしている。
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